7coins 第3章

連休企画3日目。



連休企画、4日連続で小説をアップの第3回。
ミス発覚で当初の話から少し修正。
以前つくったFLASHゲームをもとに書きました。
実際のコインでゲームを行うことや、話の都合により、
細かいルールが違っています。

小説といいながら、会話文のみの構成です。
挿絵を入れていますが、下手なのはご愛嬌ということで。

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あとがき


――――――――――――――――――――――――――――――


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「……」

(2回連続の3点、本当に偶然なんだろうか?)


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(……この本の影! 
置いた時と違わないか? 
あの時はきっちり本の背表紙に平行な影だった。
……ライトの位置が微妙にずれただけか? いや、もしかすると)

「ちょっと、ライトのスイッチを貸してみろ」


「え? 良いよ、私が消すから」


「そうじゃない。いいから貸してみろ」


「ふふ。怖い顔しないでよ。はい」


(……一見問題はなさそうだが。……やはり、か)


「……」


(スイッチとは別に小さなボタンがある。
……押してみても特に変化はなし、か。一度切ってみて……!? 
ボタンが若干出っ張った。もう一度青に……!)


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「これはどういうことだ?」


「あーぁ。ばれちゃった」


「今、コインは1枚しか光っていない。さっきと同じ青い光なのにだ」


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(左側の電気スタンド……一度ライトを消して調べてみるか)

「……」

(電球が3つついている! 
1つは青、1つは赤、もう1つ小さいのが……! 
……この電球、傘の部分と比べても明らかに温かい。
使用されたとみるのが自然か。)


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(おかしいと思ったんだ。
俺は左きき。あいつはそれを知っている。
ライト1つで充分なら俺にもこちら側のライトを使わせるはずだ)

「……」


「……なかなか面白いでしょ。
それ、片面ずつのコインならどちらを向いてても光るようになってるの」


「何も仕掛けてないんじゃなかったのか?」


「仕掛けてないわ。少なくとも私は。
ルール違反もしてないわよ。横の電気スタンドの光を当てて、
光ったコインの枚数が得点になるって言ったじゃない? 」

「それに、裏表を当てると言ったけど、
赤か青を宣言してどちらかを当てるかとも言ってないし、
スイッチは赤と青の2種類しか選べないとも言ってないわ」


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「このゲームは無効だろう」


「ふふ。少なくともこの1ゲームは最後までって言ったわよね……」


「お前! ……いや、最後までやるとは言ったが、
イカサマがあった時点で罰ゲームは無効にしてしかるべきだ。
この1ゲームは消化試合として続けよう」


「一方的に約束を反故にするのは明らかにルール違反だと思うわ。
そうなると、お願い事は2つになるのかしらね?」


「だが、イカサマは……!」


「私は説明したルールにのっとってゲームをやってたけど?」


(……こいつ。完全にはめられた……!)


「大丈夫。この仕掛け分かったんだから、まだ逆転の可能性あるよ。
こっち使って良いから。
右手側を使えば良いわと言ったけど、
左手側を使ったらいけないとは言わなかったじゃない?」

「あ、使い方はこのボタンを押しながらスイッチを切り替えるのよ。
そうすると赤か青のどちらかと一緒に、小さい電球も光るから。
……気づかれないようにするのちょっと難しくて」


「……やっぱり、前からこのこと知ってたのか?」


「ううん。嘘はついてないよ。このことは作者から教えてもらったの」


(! 何考えてんだあの作者は! 俺をどうするつもりだ?)

「じゃ、続きやりましょうか。
もちろん、私の3回目の得点は3ね。
コインは片面ずつって分かっちゃったこのコインを引っ込めるわ」


(……)


「……どうぞ?」


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(……今の俺の手持ちは『両面青と両面赤』。
場のコインは1枚『片面ずつ』は確定。
もう2枚は『片面ずつと両面青』、『片面ずつと両面赤』、
『両面青と両面赤』のどれかでほぼ間違いない。
あのボタンがある以上、片面ずつは1枚でも減らしておきたいはず)

(では、どの色を選択するべきか。
さっきのコイン交換の前で、場に『片面ずつ3枚』の場合の確率は半々。
場に『片面ずつ2枚、両面青』の場合は一見、
青を選択すると期待値が大きいと思えるが、
この場合はほぼ確実に場に両面赤が入ってくるはず)

(結局どちらを選んでも半々の公算。ここは……青だ)

「左のライトを使わせてもらう」


「……2枚ね。おめでとう」


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(3点とはいかないか。
……今、ここでのコイン交換。
『手持ちの両面モノと場の片面ずつ』を
あいつに気づかれないように交換したいが……)


「説明したけど、一度消したライトはその番ではもうつけれないよ。
さっきはつけ直してたけど、その件だけは許してあげる。
あと、小さい電球は、
スイッチが入った状態でボタンを押してもつかないからね」


(1回の番で、小さい電球をつけた場合とつけない場合の
両方について、反応を調べることはできないということか)

(八方ふさがり。もう、相手のミスを期待するしかないのか。
いや……まずは落ち着いて考えるべきだ)


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(今、俺は『両面赤と両面青』を持っている。
場は『両面赤と片面ずつ』は確定。もう1枚は『両面青』か『片面ずつ』)

(狙うのは、片面ずつを手に入れること。
『両面赤2枚と片面ずつ』、『両面赤2枚と両面青』、
『両面赤と両面青2枚』このいずれかの状況なら、
あいつが1点を取る可能性がある。
あのボタンがあれば0点はない。1点が最低得点だ)

(選択肢としては『場の青と手持ちの両面赤』あるいは
『場の青と手持ちの両面青』を交換すること。
総合的にみると、相手が1点を取る確率は前者の方が高い)

(ただし、前者の場合は相手が3点取る可能性もでてくる。
そうなった場合、その時点であいつの勝ち。
あいつの次の番のコイン交換で場に片面ずつを出して、
最終回も最低2点を取ってくるはずだからな。
俺の今からの最高総得点は12点が限度)

(……待てよ。あいつの立場で考えてみればどうなる? 
この時点であいつはコインの場所と種類がすべてわかっているはず)

「……」


「長考ね? さすがにこの状況で勝つのは難しいもの」


「……」


(考えがうまくまとまらないが、俺の計算が間違っていなければ、
今の場のコインが『片面ずつ2枚と両面赤』だった場合、
おそらく俺が勝てる公算はない。必ず封じられる。
それならもう一方の……ん?)

「今、何て言った? 俺が勝つのは、『難しい』と言ったか?」


「……ふふ。気づいた?」


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(勝ち目は……ある。本当かどうか分からないが、その場合、
場のコインは『両面赤、両面青、片面ずつ』。
これを前提に考えるとどうなる?)

(場の青と手持ちを交換。
このとき新たに場に残る組み合わせは4通り考えられる。
すなわち『青赤赤』『赤赤片』『青赤片』『青赤青』。
3番目は相手がどちらの色を選択してもボタンを使えば2点となる。
これは運が悪い場合)

(手持ちの赤を交換すれば、
相手の得点を1点にさせる可能性は確実に残る。
しかし、手持ちの青を交換すればその可能性は半分となる)

(つまり、俺の立場としては『両面赤と場の青』を交換すれば、
相手の選択を青に期待するだけで良い。
『両面青と場の青』を交換する場合、
1/2で当たりを引く可能性を期待した後、
さらに相手が赤を選択することを期待することになる)

(あんな助言をしたんだ。
当然、それはあいつも分かっているはず。俺が危険を冒した上で、
運よく両面青を仕掛けたと思って青を選択するか、
無難に確率の高い赤を選択するか……それを予想するしかない。
これを成功しなければ勝利は厳しい)


――


「焦ってるように見えるけど、大丈夫? 
今回は難問ね。赤にしようか、青にしようか」


「……」


「なんだ。顔に書いてあるじゃない?」


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「……」


「その反応は失敗しちゃったのかしら? じゃあ青を選択するわね」


「……ふふ。2点。助かったわ」


(賭けに出たのが間違いだったか? 
結局はずれくじを引くことになった)


「じゃあ、コインはこれと交換ね」


(『手持ちの片面ずつと、場の青』を交換)


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「……」


「どうぞ?」


「……次は、赤だ」


「良かったじゃない。3点よ」


(……念願の3点。まだ光は残っている)

(そして、ついに最後のコイン交換。
今の場には『両面赤が1枚と片面ずつが2枚』。
これは相手も分かっている。
最善の手は……)


「今10対9。大逆転できちゃうかもよ。勝ったらどうしたい?」


「……」


「ふふ……」


(……できればもう少し距離を取ってもらいたい。いろんな意味で)

「次は、お前の番だ」


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